政山鉢の紹介              
     栽鉢は通常、型作りを主体にロクロやタタラなどにより成型される。

       器ができたら別に作った足を取り付けて窯に入れて焼き上げる。

        そのため冬の凍てつきやわずかな衝撃で足が取れてしまうことが多く見られる。

      政山鉢はその問題を解決するため土の塊から脚まで一体で彫り抜き成型する。

       成型には細心の注意と集中力そして多くの工程・日数が必要である。

        この特異な技法で鉢作りを始めて五年ではあるがプロに全くひけをとらない作品を作り出している。



                            

  1945年、静岡県 生まれ。本名は河村政春。
生まれ育った清水で板金業のかたわら40年近く
小品盆栽に励み、理想の鉢を追い求めて5年前に
鉢作りを開始。




       彫り抜き技法


       
        菊練りした水簸粘土の塊の上部を水平に切り取り自作した木瓜型の型(外縁部分)を当て、

       周囲の余分な粘土を糸で切り取る。









        カキベラで外周及び内部の余分な粘土を削り取っていく。













        手作りの小道具で外縁周囲を削る。














        手作りのゲージを使い形を整えて行く。














        3つめの小道具を使い鉢底縁部の形を整えて行く。











        鉢底部分を一気に削りすぎないようあくまで徐々に慎重に削る。














        ステンレス板の基盤目線と円周線との目安を利用して、しっかりと中心に据える。














        かね尺と定規を用いて、鉢底面の前後左右の中心部を図り、目安の印を付けておく。











        ここまで薄く削りだしてくると、鉢底の加工や鉢内部の削りだしの際に、圧力がかからないようウレタン片(手製)
        の型を利用する。











        このスチール製の道具もやはり、河村さんの自作。鉢縁内部の窪みを均一に付けるための道具で削りだす。











        これが、河村さんが自作したステンレス製の道具。















        今度は木瓜型鉢に相応し脚の形に仕上げるための削り出し作業に移る。

        コブ切りの丸い切り跡が、木瓜型鉢の足の削りには都合がよいのである。









        紙ヤスリを用いて、足裏部の水平をだすために数回前後に磨ってきれいに仕上げる。












        足部の面取りを行い仕上げる。











        削り出し後の乾燥期間には、このように重みを乗せて歪が生じないよう配慮することも大切である。













        素焼き・釉薬掛け・焼成の工程を経て完成した盆栽鉢。








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